救命救急センター長 加地正人
救命救急センターは、国際医療センター全体の理念のもと、国際的にも通用する国内最高水準の救急医療を提供するセンターとして運営されます。救命センター内に専用の64列MDCT、3 Tesla MRI biplane flat panelの脳血管撮影装置、透視用DR、一般用X線撮影装置などの放射線関係の装備を配置し、救急室に緊急用手術室を併設(別に中央手術部に救急専用の手術室3室)するなど、最新の設備を擁した本格的三次救命救急センターです。臨床的には、患者さんが安心して高度医療を受けられるように、高い診療水準の維持、医療安全、医療スタッフと患者さん・御家族との良好なコミュニケーション、患者さんの良好な入院環境の確保など全ての面において最高の医療を24時間体制で提供致します。また、教育機関としては、医師、看護師、救急救命士を含む医療スタッフ、学生などの研修を国内外から受け入れ、高度の救急医療に関する教育を行います。
脳卒中センターは、救命救急センター内の専門センターとして、脳神経外科、脳血管内治療科、神経内科、リハビリテーションの4部門の専門医が救急専門医と協力して、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など全ての脳血管障害の診療を24時間体制で行います。治療面では、当施設専用に新しく開発された、脳血管撮影・脳CT検査・手術・血管内治療が同時に行える脳血管障害専用手術室(BrainOR)が準備されており、他施設では困難な高度治療が行えます。脳梗塞急性期症例に対しては組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)静注療法のみでなく、血管内治療も積極的に行っています。脳動脈瘤治療も血管内治療(コイリング)、外科的治療(クリッピング)が症例毎に適切に選択されています。また、入院後、2日以内に急性期リハビリテーションを開始して、病状の早期回復をはかる体制も整え、近隣医療機関との積極的な連携体制の構築により、急性期以後の治療の充実にも対応していく体制が用意されています。脳卒中センターと救命センターが緊密に協力して診療に当たることで、病院前の救急搬送の時点から一貫した高度の医療提供が出来ることになり、近年ますます高度・専門化しつつある脳卒中急性期治療の新しい時代に十分に対応し、さらには他施設の水準を超えた治療を患者さんに提供しております。日本有数の脳卒中センターとの高い評価を受けております。臨床研修(卒後2年以内)に関しては、当センターと埼玉医科大学病院との連携により、一次から三次までの全ての救急疾患を多数症例で経験することが出来る制度が用意されており、卒後3年以降の後期研修についてもカリキュラムを整えて受け入れる体制が整備されています。