先進医療については、平成16年12月の厚生労働大臣と内閣府特命担当大臣(規制改革、産業再生機構)、行政改革担当、構造改革特区・地域再生担当との「基本的合意」に基づき、国民の安全性を確保し、患者負担の増大を防止するといった観点も踏まえつつ、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、保険診療との併用を認めることとしたものです。
また、先進医療は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)において、「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」として、厚生労働大臣が定める「評価療養」の1つとされています。
具体的には、有効性及び安全性を確保する観点から、医療技術ごとに一定の施設基準を設定し、施設基準に該当する保険医療機関は届出により保険診療との併用ができることとしたものです。
なお、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、未だ保険診療の対象に至らない先進的な医療技術等と保険診療との併用を認めたものであり、実施している保険医療機関から定期的に報告を求めることとしています。
先進医療は、先進医療Aと先進医療Bに分類されています。
先進医療A
・未承認等の医薬品や医療機器の使用(適応外使用)を伴わない医療技術
先進医療B
・未承認等の医薬品や医療機器の使用(適応外使用)を伴う医療技術
区分 | 先進医療名称 | 担当診療科 | 算定開始日 |
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先進医療B | パクリタキセル静脈内投与(一週間に一回投与するものに限る)及びカルボプラチン腹腔内投与(三週間に一回投与するものに限る)の併用療法 | 婦人科腫瘍科 | 2010年5月1日 |
先進医療B | ペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法 | 呼吸器内科 | 2012年4月1日 |
先進医療B | 術前のSー1内服投与、シスプラチン静脈投与及びトラスツズマブ静脈内投与の併用療法 | 消化器外科 | 2016年12月1日 |
先進医療B | テモゾロミド用量強化療法 | 脳脊髄腫瘍科 | 2017年5月1日 |
先進医療B | 術後のアスピリン経口投与療法 | 消化器内科 | 2018年7月1日 |
先進医療A | 細胞診検体を用いた遺伝子検査 | 消化器内科 | 2020年9月1日 |