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核医学科は、放射性同位元素(ラジオアイソトープ)を含む放射性医薬品を用いて、画像検査(核医学検査)や放射線治療(核医学治療)を行う診療科です。
CTやMRIなどの一般的な画像検査が臓器や病気の形状(かたち)を調べる検査であるのに対して、核医学検査は臓器や病気の機能、代謝、活動性(性質)を調べる検査といえます。はじめに放射線医薬品を投与し、体内に分布した放射性物質を特殊なカメラでとらえて画像化していきます。
核医学検査は放射性物質を含む薬剤を利用するため、放射線のひばくがあります。しかし微量な放射線で診断が可能であり、人体に問題とならない程度のひばく量で管理されています。また、造影剤をはじめとする他の薬剤と比べて、薬剤としての副作用が問題となることもほとんどありません。
用いる放射線医薬品の種類により、ポジトロン放射断層撮影(PET)と単光子放射断層撮影(SPECT)とよばれる検査があり、埼玉医科大学国際医療センターでは両方に対応しています。また埼玉医科大学国際医療センターは医用サイクロトロンという大型装置を保有しており、悪性腫瘍の診断に有効なフルオロデオキシグルコース(FDG)の他、さまざまなPET用放射性医薬品を院内で製造し、診療や臨床研究に活用しています。
核医学治療は放射線治療の一種です。一般的な放射線治療は体外から放射線を照射しますが、核医学治療では内部から放射線治療を行います。投与された放射線医薬品が目標とする臓器や細胞に集まって放射線を出すため、正常な部分への負担を減らし、全身的な病気にも対応できます。
比較的古くから行われている治療法ですが、続々と新たな治療用の放射性医薬品が開発されており、めざましい進歩が見られる分野です。日本では数少ない専門の診療科として、最先端の手法、知識を臨床医療に還元できるように努めています。
FDG-PET/CT検査は、体内のブドウ糖代謝をPET装置で調べる検査です。がん細胞は糖代謝(糖分を取り込む性質)が盛んになっています。この性質を利用し、FDG-PET/CTで全身のがんの分布や悪性度を調べます。CTやMRIなど通常の画像検査だけでは診断できない病変の性質を判断し、また従来は発見できなかった遠隔転移の検出にも効果を発揮します。
骨シンチグラフィ(骨SPECT)は、骨の腫瘍やがんの骨転移の診断に用いられます。全身を一度に評価できるため、病変の有無やひろがりを容易に診断できます。
その他にも、がんの核医学検査には副腎皮質シンチグラフィ(アドステロールシンチグラフィ)、副腎髄質シンチグラフィ(MIBGシンチグラフィ)、甲状腺シンチグラフィ、リンパ管シンチグラフィ、神経内分泌腫瘍に用いられるオクトレオスキャンなど、さまざまな種類があります。病気の種類や状態に応じて適切な検査を行っています。
心筋血流シンチグラフィ(心筋血流SPECT)は心臓の血流分布状態を調べる検査で、心筋梗塞、狭心症、心不全といった病気の診断に用いられます。運動時に胸痛が発生する狭心症を正確に評価するため、検査中に運動(自転車運動)など心臓への負荷がかかった状態を再現し、負荷がかかっていない安静の状態と比較して心臓の機能を評価することがあります。
その他にも心筋交感神経シンチグラフィ、心筋脂肪酸代謝シンチグラフィなど、さまざまな種類の核医学検査があり、心臓の状態に併せて行われます。
また悪性腫瘍で行われるFDG-PET/CT検査は、心サルコイドーシス、大型血管炎(高安動脈炎・巨細胞性動脈炎)の診断のためにも用いられています。従来の検査では評価できない炎症の活動性をより正確に評価できるものと期待されています。
アルツハイマー型認知症は代表的な認知症をきたす病気ですが、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など他にもさまざまなタイプがあり、これらを確実に区別することは治療方針決定の上で重要です。脳血流シンチグラフィ(脳血流SPECT)、ドパミントランスポータシンチグラフィ(ドパミントランスポータSPECT)などの核医学検査は、こういった認知症、神経変性疾患の診断に効果を発揮し、通常のCTやMRIでは判断できない脳の代謝変化を捉えることで早期の診断が可能と考えられています。
また脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、もやもや病など脳の血管が狭くなる病気に対しても、脳血流シンチグラフィ(脳血流SPECT)が行われ、治療方針決定に役立っています。
炎症性疾患の診断に用いられるガリウムシンチグラフィ、シェーグレン症候群など唾液分泌障害の際に用いられる唾液腺シンチグラフィ、肺塞栓症の診断に用いられる肺血流シンチグラフィなど多くの種類の検査があり、各診療科の医師と綿密に連携して適切な検査を実施しています。
当院では現在、以下の核医学治療を行っております。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|
初診 | -- | -- | 瀬戸 陽 | 瀬戸 陽 | -- | 交代制 |
午前 |
松成 一朗 瀬戸 陽 |
久慈 一英 |
久慈 一英 瀬戸 陽 |
瀬戸 陽 |
久慈 一英 瀬戸 陽 |
交代制 |
午後 |
久慈 一英 松成 一朗 瀬戸 陽 |
久慈 一英 |
久慈 一英 瀬戸 陽 |
瀬戸 陽 |
久慈 一英 瀬戸 陽 |
交代制 |
他の医療機関から、FDG-PET/CTなど各種核医学検査を受け付けています。まずは核医学受付までご連絡ください(患者様個人からの受付はできません)。
核医学治療も一部受け入れ可能です。まず核医学科医師にご相談ください。
お電話で検査日時の調整を行った後、申込書(診療情報提供書)をFAXしてください(番号間違いにご注意ください)。
保険適用について当科医師が確認の上、正式に検査を受け付けます(FDG-PET、FDG-PET/CTの保険適用については下表をご参考ください)。
検査後は、診療情報提供書、読影レポート、画像データのCD-Rを紹介医宛に後日郵送いたします。患者様への結果説明は、当科では行いません。
以下のようなケースは、他の検査で悪性腫瘍が発見されない場合においても、一般にFDG-PET/CTの保険適用となりませんのでご留意ください。
保険適用とならない場合は保険外診療(自費)として受け付けることも可能です。詳細が不明な場合も含め、遠慮なくご相談ください。
FDG-PET/CTをはじめ、多くに核医学検査では絶食などの前処置が必要な場合がございますので、あらかじめ患者様へのご説明をお願いいたします。以下の説明書をご利用ください。
・埼玉医科大学国際医療センターへのアクセスはこちら。
核医学検査はどこの病院でも実施できる検査ではありません。当院では、他の医療機関からのPET検査・SPECT検査の依頼を積極的に受け入れております。核医学治療についても柔軟に対応しております。核医学に関する専門的な最新医療を地域連携に活用してまいります。治療適用や画像の相談など、ご不明な点はお気軽にご相談ください。
診療部長、教授
講師
講師
助教
教授 (大学病院から兼担)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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初診 | -- | -- | 瀬戸 陽 | 瀬戸 陽 | -- | 交代制 |
午前 |
松成 一朗 瀬戸 陽 |
久慈 一英 |
久慈 一英 瀬戸 陽 |
瀬戸 陽 |
久慈 一英 瀬戸 陽 |
交代制 |
午後 |
久慈 一英 松成 一朗 瀬戸 陽 |
久慈 一英 |
久慈 一英 瀬戸 陽 |
瀬戸 陽 |
久慈 一英 瀬戸 陽 |
交代制 |