肝臓、胆道、膵臓における悪性腫瘍を中心とした外科的治療を担当しています。この領域の癌は予後不良で切除困難例も少なくありませんが、治癒が期待できる方法が外科切除のみであることが多く、最後まで切除の可能性を捨てない‘‘never give up !”が当科の基本精神です。
診断はCT、MRI、PET/CTなどの画像診断に加え、消化器内科の協力のもとEUS、EUS-FNAなどを行い、手術適応と切除方法について術前に外科、内科、病理医、放射線科医との詳細な検討を行っています。
当院は日本肝胆膵外科学会高度技能医修練施設Aに認定されています。手術は高度技能指導医2名、高度技能専門医3名の他、消化器外科学会専門医、外科学会専門医等が担当します。肝切除は小山病院長が開発指導を行った低電圧ソフト凝固電気メスを使用する事により、Pringle法(全肝疎血法)を行わずに少量の出血量で手術が可能です。この方法は従来の手術に比べて糸による結紮が最小限で済み、手術時間短縮やSSI発生率低下にも貢献しています。また、最近では腹腔鏡下肝切除も徐々に症例数を重ねています。胆道癌は術前に癌の進展範囲を詳細に検討する事で的確な切除範囲を予測し、肝切除を伴う胆管切除から膵頭十二指腸切除までの多様な術式を決定します。膵癌は極めて予後不良の癌ですが、門脈浸潤例は原則手術適応です。膵臓の手術は術後の膵液漏の問題から、一般的に手術リスクの高い手術ですが、当科ではポリグリコール酸シートと器械縫合器を用いた膵切除を行う事により膵体尾部切除における膵液漏発生率が他施設に比べて極めて低く安全な手術を行っています。また膵頭十二指腸切除における膵空腸吻合再建では、1mm程度の膵管であっても膵管空腸粘膜吻合を行うことで、術後膵液漏の発生減少に役立てています。さらに、腫瘍に対する術前化学療法および術後補助化学療法の実施により手術成績向上に努力しています。
肝胆膵領域の悪性腫瘍および境界疾患を対象とします。
肝臓では、肝細胞癌のほか、転移性肝癌、肝内胆肝癌(胆管細胞癌)、肝血管腫など。胆道は肝門部胆管癌から中下部胆肝癌、乳頭部癌、胆嚢癌。膵臓は通常型膵癌の他、IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)、MCN(粘液性嚢胞腫瘍)、転移性膵癌、Solid-pseudopapillary tumor、膵内分泌腫瘍など多岐にわたります。その他、膵切除が必要になるような十二指腸癌や大腸癌、胃癌の膵浸潤症例、脾臓転移や副腎転移、後腹膜腫瘍、腎臓癌の下大静脈浸潤例など他科で手術困難とされた腹腔内の手術も当科で手術を行います。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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初診 | 高瀬 健一郎 | 岡本 光順 | 渡辺 雄一郎 | 渡邉 幸博 | 合川 公康 | 岡田 克也 |
午前 | 高瀬 健一郎 | 岡本 光順 | 渡辺 雄一郎 | 渡邉 幸博 | 合川 公康 | 岡田 克也 |
午後 |
小山 勇 高瀬 健一郎 |
岡本 光順 | 渡辺 雄一郎 | 渡邉 幸博 | 合川 公康 | 岡田 克也 |
閉塞性黄疸に対する治療は当院の最も得意とする分野です。減黄治療前の画像診断が腫瘍の進展度診断に重要です。原因が結石であっても腫瘍を併存していることも稀ではありません。黄疸患者様がいましたら原因に関わらず、また予約がなくても受け入れますのでご連絡、ご紹介いただければ幸いです。さらに画像診断で肝胆膵腫瘍あるいは嚢胞性疾患などを疑う患者様がいましたらご紹介ください。
肝胆膵外科手術の成績向上には、術後経過観察が重要です。基本的にはご紹介いただいた施設へ患者様をお返しし経過観察をお願いする事にしていますが、当院での画像診断が必要な場合もありますのでその際には当院外来受診を併用させていただきます。また、再発が疑われたり合併症が生じた場合などは当科外来で迅速に対応させていただきます。
肝胆膵癌は根治手術ができても早期再発、早期死亡が稀ではありません。自宅近くでの緩和治療をご本人、ご家族が希望されることも多く、地域連携施設にこれまでのようにお願いすることがあると思いますが何卒よろしくお願い申し上げます。
今後とも地域連携を有効に機能させていただき、患者様の幸せに貢献できるように努力していきたいと思っております。
名誉病院長、特任教授
診療部長、教授
副診療部長、教授
講師
講師
講師
講師
助教(臨床フェロー)
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初診 | 高瀬 健一郎 | 岡本 光順 | 渡辺 雄一郎 | 渡邉 幸博 | 合川 公康 | 岡田 克也 |
午前 | 高瀬 健一郎 | 岡本 光順 | 渡辺 雄一郎 | 渡邉 幸博 | 合川 公康 | 岡田 克也 |
午後 |
小山 勇 高瀬 健一郎 |
岡本 光順 | 渡辺 雄一郎 | 渡邉 幸博 | 合川 公康 | 岡田 克也 |